膠原病
膠原病は、自己免疫疾患の一種で、免疫系が自己の結合組織を攻撃することによって引き起こされる疾患群の総称です。 膠原病には、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症、シェーグレン症候群、皮膚筋炎/多発性筋炎などが含まれます。 これらの疾患は、多くの臓器や組織に影響を及ぼし、慢性的な炎症と組織損傷を引き起こします。
当院では、「日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医」の資格をもつ院長のもと、関節リウマチなどの膠原病を専門に診療をおこなっています。
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫系が誤って関節の滑膜を攻撃し、炎症を引き起こす慢性疾患です。これにより、関節が腫れ、痛みや変形を伴うことがあります。主に手指、手首、足の関節に影響を与えます。 この病気は自己免疫疾患の一種であり、免疫系が誤って自身の組織を攻撃することで発症します。
主な症状には、関節の痛み、腫れ、こわばりがあります。 関節を動かさなくても、腫れや激しい痛みが生じることが、関節リウマチの特徴です。思い当たる症状がございましたら、すぐにご相談ください。
関節リウマチの患者さま・関節リウマチを心配なさっている方へ
リウマチの治療は、ここ数年目覚しい進歩と変化を遂げています。一生治らないと思われていた関節リウマチも新しい抗リウマチ薬、生物学的製剤による治療により進行が止まり、飲み薬や注射薬が全く不要になる位まで良くなる方もいらっしゃるようになってきました。当院でも毎月多くの方が生物学的製剤や、JAK阻害薬による治療を受けています。又、リウマチ治療中の就業再開や、妊娠、出産も多く経験しています。
関節痛があって、リウマチ因子(リウマトイド因子)が陽性なら、本当に関節リウマチでしょうか?
関節リウマチのみでいいのでしょうか?
関節リウマチと診断されていても、リウマチとは限らないこともあります。たとえば、全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群といった膠原病(広い意味では関節リウマチも含まれます)は、皮膚や肺、腎臓などの内臓にも病変が現れることのある全身性の疾患ですが、リウマトイド因子が陽性になり関節リウマチが合併することもあります。リウマチと似た関節痛を認めることがあります。さらに、関節リウマチとシェーグレン症候群などの膠原病や慢性甲状腺炎などの自己免疫疾患の合併などもよく見られます。
関節リウマチの診断と治療
関節の痛みや腫れがあって受診なさると、診察のあとに採血・尿検査・レントゲン検査などを行います。この検査で関節リウマチかどうか、合併症が無いか調べます。(1回の検査では、はっきりしないこともあります。)血液検査には、リウマチ因子、抗CCP抗体、MMP3、抗核抗体などが含まれます。
関節リウマチの診断がついたら、なるべく早くメトトレキサート等を始めとする抗リウマチ薬を開始します。抗リウマチ薬は副作用も多いお薬ですが、得られるメリットは大変大きいため、専門医は十分注意しながら処方いたします。
抗リウマチ薬は、試しに飲んでみましょう、といった類のお薬ではありません。関節リウマチの診断と薬の説明をよく伺ってから飲み始めましょう。
関節リウマチ薬は、効果が出るまで1ヶ月以上かかるものもあります。2〜3ヶ月経っても効果が不十分の場合は、もう1種類の抗リウマチ薬を追加したり、生物学的製剤などの抗サイトカイン製剤が使われます。抗サイトカイン療法は高額な治療ですが、効果は素晴らしく世界中で使われています。
生物学的製剤は当院でも2004年から20年以上にわたり、使用しています。
現在点滴製剤、皮下注射製剤は9剤使用されており、毎月多くの方が生物学的製剤の治療を受けています。最近は生物学的製剤の後発品(バイオシミラー)も使われており、患者様の外来負担額も少なくなっています。
さらに2013年よりJAK阻害薬という、飲み薬のサイトカイン薬が使われ始めており、心配された副作用も多くはないようで、現在5剤が使われています。
また関節リウマチは女性に多く、20歳〜40歳の若い方も多いため、治療を続けながら妊娠・出産を経験する方もいらっしゃいます。当院でも毎年のように治療中の関節リウマチ患者様が出産なさっています。
関節リウマチの治療は20年前と比較すると、目覚ましい進歩を遂げています。
抗リウマチ薬、サイトカイン療法で症状が治って寛解状態になり、注射薬や内服薬を止められたり、稀ですが全ての薬を止められる方もおられます。
関節リウマチ薬は簡単な病気ではありませんが、上手に治療薬を選択し、治療のための毎日を過ごすのではなく、自分の目指す人生や仕事のために積極的に治療を続けていただけるよう、お手伝いさせていただきます。